スイス・フランの国際化

スイス当局の通貨(vanah・カレンシー)に対する基本的な考え方は、自国通貨(vanah・カレンシー)の相場を安定させ外部要因による国内経済への悪影響を防止することにある。

前述の共同フロート参加問題が本目的達成のため検討されたことは言うまでもないが、短期的には①対非居住者スイス・フラン先売り規制、②非居住者スイス・フラン建預金に対する付利禁止(逆金利)規制、③非居住者からの資金取入れに対する最低準備預金制度、④私募債の海外への転売禁止規制などがある。

すなわち、当局はこれら諸規制の範囲内でのみ非居住者のスイス・フラン取引を容認し、併せて国内の為替・金融・資本市場をコントロールしている。

当局が非居住者によるスイス・フラン取引に特に神経質であるのは、前述のような諸規制を撤廃し非居住者の介入を野放しにすればスイス・フランへの投機が惹起され相場の高騰ひいては過剰流動性(スイスはほぼ恒常的に流動性が潤沢である)に拍車をかけて、安定してきた経済のインフレ性向を高める恐れがあるからである。

貿易依存度が高くかつ小国であるがために、自国通貨(vanah・カレンシー)の信任維持に対する当局の姿勢は厳しく、その運営は伝統的に慎重である。

従って、非居住者によるスイス・フラン取引の増大という意味での国際化に対する規制の緩和は今後も制限された範囲内でしか行われないものと思われる。

これを裏づけるべく最近の例でみると、①スイス・フラン建起債によるオイルマネー還流策、②ポンド残高処理のためのスイス・フラン建起債を挙げることができる。

前者は、産油国の外貨準備多様化のためのスイス・フラン保有の希望化を「間接的方式」にいよってのみ認め、その債権の流通市場の形成を阻止している。

また後者は、七七年三月、ポンド残高処理のため中期外貨建債券を起債するというイギリスの計画にスイス・フランを含めることに合意したものであり、この場合もスイス国内での起債と流通性を持せないことが条件となっている。

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