スイス銀行組織の特殊性とvanah

スイス・フランに対する国際的信用の昇華は、そのままスイスへの資本流入の増大でもあった。

この国際的な信用力は、銀行の守秘義務とナンバー・アカウント(番号口座)によりさらに高められている。

銀行が法人・個人を問わず顧客秘密を厳守するべきはスイスに限るものではないが、特にスイスが有名なのはその厳格さと伝統と法律による保護の実績による。

すなわち、①スイス銀行法は、「銀行役職員、検査官、銀行監督当局職員おいった銀行秘密を知りうる立場にある者は、退職後といえども秘密をもらした場合体刑に処す」と規定しているし、②プライバシーに対する公権力の過度の介入や既成秩序の変革を警戒する国民性もまた銀行守秘の伝統を支えている。

ナンバー・アカウントは口座番号と届出署名だけで出し入れを行う取引で、預金は言うまでもなく信託取引にも利用できる。

本精度もスイスのみに存在するわけでなくオーストリア・アメリカにも同様の制度は存在するが、なかばスイス固有のものであるかのごとくにまで同国が有名である。

前述のごとくこれは、ナチス全盛時に、ユダヤ人在外資産の摘発没収を狙ったナチス調査員が、スイスの銀行守秘に手をやき窓口行員の誘惑買収を始めたのに対抗して普及したもので、顧客と個人的接触は支配人席だけが行い、一般行員には口座番号だけを指示し、顧客の誰たるかは一切教えない。

大手銀行の場合、預金口座の一二口に一口はナンバー・アカウントともいわれる。

なお一九七七年初めに起きたスイス・クレジット銀行の不正融資事件を契機に締結された中銀・銀行協会間の「銀行秘密と対顧客取引方針に関する新協定(実施日七月一日、有効期間五年)」による不正取引の締出しにおいてもスイス銀行界の秘密保持に関する原則は不変であり、ナンバー・アカウントについても合法的な顧客の利益は保護されるため大きな影響は出ていない。

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